- Lunaを80%値下げ、100万トークンあたり合計$1.40に
- SolのFastモードは標準の2倍の料金で2.5倍のスループット
- AnthropicやGoogleの低価格モデルに対抗した値下げ
発表内容の概要
OpenAIは2026年7月30日、GPT-5.6シリーズの価格改定を発表しました。同シリーズの最小型モデル「GPT-5.6 Luna」は80%引き、中間モデル「GPT-5.6 Terra」は20%引きとなります。最上位モデル「GPT-5.6 Sol」の標準価格は据え置きですが、新たに高速なFastモードが追加されました。
新しいLunaの価格は、入力が100万トークンあたり$0.20、出力が$1.20で、合計$1.40です。Terraは入力$2、出力$12で合計$14。SolのFastモードは、標準の2倍にあたる入力$10、出力$60で、スループットが最大2.5倍に向上します。同社は、モデルの知能そのものは変わらないとしています。
競争環境の変化
今回の値下げは、Anthropicが高性能モデル「Claude Opus 5」をOpus 4.8と同じ価格で発表した直後に行われました。また、Googleも低推論コストと高速実行を特徴とする「Gemini 3.6 Flash」と「Gemini 3.5 Flash-Lite」を投入しています。
VentureBeatがまとめた価格比較表によると、Lunaの合計$1.40は、GoogleのGemini 3.5 Flash-Lite(合計$2.80)やGemini 3.6 Flash(合計$9)を下回ります。さらに、OpenAI自身のGPT-5.4やTerraと比べても大幅に安くなっており、低コスト帯に食い込んだ形です。
価格設定の狙い
OpenAIは、Googleに対しては「知能あたりの価格」で優位に立ち、Anthropicのユーザーには価格よりも速度をアピールする戦略とみられます。実際、SolのFastモードは、わずか2倍の料金で2.5倍のスループットを提供するため、レイテンシに敏感な用途で利点があります。
Sam Altman CEOはX(旧Twitter)で「major price cuts today」と投稿し、価格攻勢を強調しました。AIモデルの競争は、従来の性能比較に加え、運用コストを考慮した価格性能比の時代に入ったと言えるでしょう。
注意点と今後の見通し
この価格表にはキャッシュ入力の割引が含まれておらず、実際の請求額は利用パターンによって異なります。また、Fastモードのスループット向上はあくまで上限であり、利用状況や負荷に依存する点に注意が必要です。
OpenAIの値下げに対して、AnthropicやGoogleがどのような価格改定で応じるかは現時点では不明です。AI価格競争がさらに激化する可能性はありますが、各社の戦略には不確定要素も多く、今後の動向を追う必要があります。
major price cuts today.
本日、大幅な値下げを行います。
日本の開発者・IT企業にとっての意味
GPT-5.6 Lunaの80%値下げは、日本のIT企業のAI活用コストを直接的に引き下げます。特にRAGやエージェントのように大量トークンを消費するアプリでは、API費用の削減効果は大きいでしょう。また、SolのFastモードは、応答速度が重要なサービスの選択肢を広げます。モデル選定の基準が性能だけでなく、価格と速度を含む総合コストに移行しており、開発者は自社のユースケースに照らして再評価が求められます。
用語解説
- Frontier model
- 各社が競う最高峰のAIモデル。GPT-5.6シリーズなどが該当。
- Token
- テキストを細かく区切った単位。APIの料金はトークン数で計算される。
- Throughput
- 単位時間あたりに処理できるデータ量。APIの応答速度に影響する。
- キャッシュ入力
- 同じコンテンツを再度送信する際に料金を割引する仕組み。
出典
AI price wars: OpenAI cuts GPT-5.6 Luna prices by 80% as model competition shifts toward cost
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