
- 仕事でのChatGPT利用は仕事以外の2倍以上、出力・実行中心にシフト
- ラテンアメリカやアフリカの国々が初期導入国に追いつき、地域格差が縮小
- マルチメディア利用が世界で最速成長、総メッセージの7.8%を占める
国別データの初公開
OpenAIは2026年8月6日、自社のデータ・調査ハブ「OpenAI Signals」で、ChatGPTの国別利用状況をまとめたデータセットを初めて公開した。対象はChatGPTのFree、Go、Plus、Proアカウントで送信されたメッセージで、個人利用が中心となる。
このデータは、世界で10億人以上がChatGPTをどのように使っているかを示すもので、政策立案者や研究者がAI採用の実態を把握するための基礎資料となる。OpenAIの経済リサーチチームが四半期ごとに更新し、今後も定期的に公表される予定だ。
仕事での利用が「実行」中心に
データによると、仕事の場面では「実行」すなわち編集、コーディング、分析など具体的な成果物を生み出す用途が主流だ。仕事でのChatGPT利用は、仕事以外の利用と比べて2倍以上高い頻度で「実行」に使われている。
一方、仕事以外では「質問」すなわち情報の検索や確認といった探索的な利用が最大のカテゴリーにとどまる。AIが単なる回答ツールから、業務遂行を支援するツールへと変化していることを示す結果となっている。
導入格差が縮小、年齢層も拡大
2026年第2四半期のデータでは、ペルー、ウルグアイ、コスタリカなどラテンアメリカやオセアニア、アフリカの一部地域で、1人当たりのChatGPT利用率が大きく上昇した。従来の早期導入地域である北米や欧州も成長を続けているが、南半球の追い上げが顕著だ。
年齢層では、35歳以上の利用者によるメッセージの割合がほぼすべての国で上昇した。フランスとチェコでは前年比で10ポイント以上増加しており、欧州の約4分の3の国では平均以上の伸びが見られた。一方、シンガポールなど一部の東南アジア諸国では伸びが小幅にとどまる。
マルチメディア利用が急成長
用途別では、画像生成や解析、検索などのマルチメディア利用が最も速く成長している。2026年4月に公開された「ChatGPT Images 2.0」以降、マルチメディア関連メッセージの割合は世界で7.8%に達した。ブラジルやコロンビアでは10%を超えるという。
ただし、実用的なガイダンス、文章作成、情報検索といった主要用途にはまだ及ばない。マルチメディアは成長途上にあり、地域差も大きい。今後、新機能のリリースが利用パターンをどう変えるかが注目される。
From asking to doing: At work, people are more than twice as likely to use ChatGPT to complete a task or create something, from writing and coding to analysis, than they are outside work.
「質問から実行へ:仕事の場では、人々は文章作成やコーディングから分析に至るまで、仕事以外よりも2倍以上の確率でChatGPTをタスク完了や成果物作成に利用している」
日本の開発者・IT企業にとっての意味
日本企業にとって、このデータはAI活用の国際的なベンチマークを提供する。仕事での「実行」利用が2倍以上という傾向は、日本国内でも業務自動化や生成AIの実務適用が加速する可能性を示唆する。特にマルチメディア利用の成長は、マーケティングやコンテンツ制作分野での応用が進む好機となり得る。一方で、35歳以上の利用者割合が増加していることから、従業員研修や業務プロセスへの組み込みを幅広い年齢層に向けて設計する必要がある。また、各国の導入差が縮まる中で、日本が取り残されないためには、データを活用した実証実験や社内ガイドライン整備を急ぐべきだ。
用語解説
- OpenAI Signals
- OpenAI経済リサーチチームが運営するデータ・調査・分析のハブ。ChatGPTの利用統計や研究成果を公開する
- マルチメディア利用
- 画像生成・解析・検索など、テキスト以外のメディアを扱うChatGPTの用途
- 1人当たり採用率(per-capita adoption)
- 各国の人口に対してChatGPTを利用する人の割合の指標。採用の広がりを国間で比較するために用いる
出典
From asking to doing: How the world is putting ChatGPT to work
https://openai.com/index/how-the-world-is-putting-chatgpt-to-work
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