
- OpenAIがChatGPTの月間10億人突破を8月6日に正式発表
- GoogleはGeminiが月間10億人に達したと8月11日に公表
- ChatGPTの成長鈍化が見られ、Geminiが猛追する構図に
発表の経緯
OpenAIは2026年8月6日のブログ投稿で、ChatGPTを「10億人以上の人々が活用している」と明らかにしました。ただし、この発表は目新しい内容のない投稿に埋もれる形で、大きな話題にはなりませんでした。
一方、GoogleのCEOサンダー・ピチャイ氏は8月11日にX(旧Twitter)へ投稿し、Geminiの月間利用者数が10億人に達したと報告しました。同氏は「GeminiはGoogle史上最速で成長している製品だ」と述べています。これはGoogleの製品として14番目の10億ユーザー達成です。
数字を読み解く
両社の発表した数字は同じ「10億」でも、測定方法が異なります。OpenAIは2月時点で週間アクティブユーザーが9億人と発表しており、そこから5か月かけて10億人に達したことになります。一方、Googleは2月に月間7.5億人、7月末に9.5億人、そして先週10億人と報告しました。週間と月間では単純比較できませんが、ChatGPTの成長が鈍化している可能性がうかがえます。
OpenAIの広報担当リンドセイ・マッカラム氏は、ChatGPTが「少し前に」月間10億人を超え、7月の1週間で10億人を記録したと説明していますが、正確な月間ユーザー数は非公開です。外部推計では、ChatGPTは6月の時点で10億人を超えていたとみられています。
内訳とプラットフォーム
Geminiの10億という数字は、基本的にGeminiアプリ自体を対象としたものとみられます。つまり、Googleが他の自社製品に組み込んだGeminiは含まれていない可能性があります。ただし、AndroidスマートフォンにプリインストールされたGeminiは含まれるようで、Gemini統括責任者のジョシュ・ウッドワード氏は「iOSで1億人以上のアクティブユーザーがいる」と投稿しました。これは大多数のGeminiユーザーがAndroidを利用していることを示唆しています。
この構図は、OpenAIが独自ハードウェアの開発に関心を持つ理由の一つと考えられます。アプリ単体でユーザーを獲得する難しさと、OSやデバイスに組み込まれることの重要性が浮き彫りになっています。
競争の行方と課題
AIチャット競争は2026年にさらに激しさを増しています。AnthropicのClaudeは成長が著しいとされますが、ユーザー数は非公開で、推定でも数千万人規模とみられています。また、中国発のモデルも台頭しており、各社はモデル性能で互いに追い越したり追い越されたりしています。
これまでChatGPTはAIチャットの代名詞的な存在でしたが、その優位は縮小しています。10億ユーザーという区切りを迎えた後、各社は「ユーザーの利用をどう広げるか」と「収益化」という新たな課題に直面しています。
more than 1 billion people are putting ChatGPT to work
10億人以上の人々がChatGPTを仕事に活用しています
日本の開発者・IT企業にとっての意味
日本のIT企業にとって、10億ユーザーという規模はAIプラットフォームの選定に直結します。GoogleがAndroidのプリインストールを通じてGeminiのユーザーを拡大したように、配布力と生態系の統合が競争力を左右することを示しています。OpenAIは独自ハードウェアへの関心を強めており、今後のプラットフォーム戦略がAPIの仕様や価格に影響を与える可能性があります。また、ChatGPTの成長鈍化は、企業がAIサービスを構築する際に単一プラットフォームへ依存するリスクを再認識させるものです。開発者は利用者動向を注視し、マルチモデル対応やコスト最適化を検討する必要があるでしょう。
用語解説
- 月間アクティブユーザー
- 1か月間にサービスを利用したユーザー数。サービスの規模を示す代表的な指標。
- 週間アクティブユーザー
- 1週間にサービスを利用したユーザー数。月間より短期的な利用頻度を反映する。
- プリインストール
- スマートフォンなどに購入時からインストールされているアプリや機能のこと。
出典
ChatGPT and Gemini both just passed 1 billion users
https://theverge.com/ai-artificial-intelligence/978113/chatgpt-gemini-1-billion-users
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