- GLM-5.3がAPIで提供開始。価格はGLM-5.2から据え置き
- Artificial Analysisの指数で60点、Kimi K3と並びオープン系で最高
- 重みの公開は予定されるが、時期とライセンスは未公表
API提供の開始
中国のスタートアップZ.AIは、開発した大規模言語モデルGLM-5.3をAPIとして提供開始しました。このモデルは先週、高度なサイバーセキュリティ機能により、開発ツールCursorの未検出の脆弱性を発見したと報じられたことでも注目を集めています。
APIはOpenAIのChat Completions互換のプロトコルに対応しており、開発者はこのAPIを基盤にエージェントやアプリケーションを構築できます。一方、これまでGLM Coding Planを契約していた開発者は、現時点ではこの互換プロトコルに制限されています。
価格は据え置き
APIの価格は前世代のGLM-5.2から据え置きで、入力100万トークンあたり1.40ドル、出力100万トークンあたり4.40ドルです。キャッシュ済みの入力は100万トークンあたり0.26ドルとなり、キャッシュストレージは期間限定で無料と案内されています。
この価格設定により、GLM-5.3は最高級のフロンティアモデルと比較してかなり低い価格帯に位置します。VentureBeatの単純比較では、入力100万トークンと出力100万トークンを合わせた場合、GLM-5.3は5.80ドルで、Kimi K3の18ドル、Claude Opus 5の30ドル、GPT-5.6 Solの35ドルを大きく下回ります。
性能と位置づけ
独立系の評価を行うArtificial Analysisのインテリジェンス指数では、GLM-5.3は60点を獲得しました。これはKimi K3と並んでオープンウェイトモデルとして世界最高のスコアで、前世代のGLM-5.2より7ポイント高い結果です。
Z.AIはコーディングおよび長期的なエージェント実行の性能が大幅に向上したと主張しています。ただし、実際の請求額は入力と出力の割合やキャッシュの利用状況、トークン消費量によって大きく変わるため、単純な価格比較がそのままコスト差になるわけではありません。
未公表の点
Z.AIはモデルの重みを公開する計画があるとしていますが、具体的な時期とライセンスはまだ明らかにされていません。重みが公開されれば、セルフホストでの運用や追加のファインチューニングが可能になるとみられます。
一方で、キャッシュストレージの無料期間がいつまで続くかは明記されていません。企業が長期的なコストを試算する際には、この期間終了後の価格も考慮する必要があるでしょう。
| モデル | 入力($/100万) | 出力($/100万) | 合計($/100万) |
|---|---|---|---|
| GLM-5.3(Z.AI) | 1.40 | 4.40 | 5.80 |
| Kimi K3(Moonshot AI) | 3.00 | 15.00 | 18.00 |
| Claude Opus 5(Anthropic) | 5.00 | 25.00 | 30.00 |
| GPT-5.6 Sol Standard(OpenAI) | 5.00 | 30.00 | 35.00 |
At those rates, GLM-5.3 sits well below several of the highest-end frontier APIs.
この価格帯では、GLM-5.3は最高級のフロンティアAPI数種よりもはるかに低い位置にある。
今後の見通し
GLM-5.3のAPI提供により、オープンウェイトモデルが最高級の性能を低価格で利用できる時代がさらに進むとみられます。今後の焦点は、重みの公開時期とライセンス、そして実際のワークロードにおけるコスト効率です。Artificial AnalysisのスコアでKimi K3と並んだ一方、実運用での安定性や日本語を含む多言語性能がどのように評価されるかが明らかになれば、日本企業の採用判断もしやすくなるでしょう。
日本の開発者・IT企業にとっての意味
日本のIT企業にとって、このAPI提供は高性能な言語モデルの選択肢が増え、価格交渉や設計の自由度が広がることを意味します。特にコーディング支援やエージェントシステムは入出力トークンが多くなりがちなため、100万トークンあたりの価格差は運用コストに直結します。一方で、中国企業が提供するAPIについては、データ保護やセキュリティ方針を慎重に確認する必要があります。オープンウェイトでの公開が実現すれば、こうした懸念を回避して自社環境で運用する道も開けるでしょう。
気になる点
- GLM-5.3のAPI利用料金はどのくらいですか?
- 入力100万トークンあたり1.40ドル、出力100万トークンあたり4.40ドルです。キャッシュ済み入力は100万トークンあたり0.26ドルで、キャッシュストレージは期間限定で無料とされています。
- モデルの重み(ウェイト)は公開されますか?
- Z.AIは重みを公開する計画があると述べていますが、具体的な時期とライセンスは記事の時点では未公表です。公開されれば、自社サーバーでの運用も選択肢に入るとみられます。
- 日本からこのAPIを利用できますか?
- 記事には日本を含む利用可能地域についての記載はありません。実際に利用できるかどうかは、Z.AIの公式ドキュメントやサポートで確認する必要があります。
用語解説
- API
- ソフトウェア同士が機能を呼び出すための接続仕様。ここではAIモデルを外部から利用するための仕組み。
- トークン
- AIモデルが処理するテキストの最小単位。英語でおおよそ1語、日本語では1文字前後に相当する。
- オープンウェイト
- 学習済みモデルの重み(パラメータ)が公開された状態。自社運用や追加学習が可能になる。
- フロンティアモデル
- 各社が競う最先端の大規模言語モデルの総称。
- エージェント
- 与えられた目標に向けて、ツールを操作しながら自律的にタスクを実行するAIシステム。
出典
GLM-5.3 hits the API at $1.4/$4.4 per million tokens
https://venturebeat.com/technology/glm-5-3-hits-the-api-at-1-4-4-4-per-million-tokens
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