- Python 3.15.0 RC2が公開され、正式リリースは10月予定
- RC期間中はバグ修正のみが許可され、新機能の追加は停止
- GitHub Actionsではallow-prereleasesを使いプレリリース版をテスト可能
RC2の公開内容
Python 3.15のリリースマネージャーを務めるHugo van Kemenade氏が、2026年9月1日にPython 3.15.0のリリース候補第2版(RC2)を発表した。正式リリースは10月に予定されており、今回のRC2が最後のリリース候補となる見込みだ。RC期間に入ったため、以降はレビュー済みの明確なバグ修正だけがコードに取り込まれる。新機能の追加や仕様変更は原則として行われない。
van Kemenade氏は、サードパーティ製パッケージのメンテナーに対し、この段階で3.15対応を進め、PyPIへwheelを公開するよう強く呼びかけている。RC版に対してビルドしたwheelは、将来のPython 3.15マイナーバージョンでも動作すると保証されている。これにより、正式リリース前にエコシステム全体でテストを実施できる体制を整える狙いがある。
RC版検証の重要性
Simon Willison氏は自身の経験として、2021年にPython 3.10のテストスイートを実行した際にバグを発見したが、RC期間中にテストをしていなかったため、そのバグが正式版に含まれてしまったと振り返っている。RC版は機能が確定した後に行う実質的な最終確認の機会であり、そこで問題を見つけることができれば正式版に欠陥が残るリスクを減らせる。
とくにC拡張やバイナリを含むライブラリは、新しいPythonバージョンでの動作確認と再ビルドに時間がかかる。RC版のうちに対応を完了しておくことで、正式リリース後すぐにユーザーへ提供できるだけでなく、他のプロジェクトのテストにも貢献できる。このため、メンテナー以外にもライブラリを利用する開発者はRC版で検証することが推奨される。
GitHub Actionsで試す方法
記事では、RC2がまだGitHub Actionsのセットアップ対象に反映されていないとみられることに触れつつ、actions/setup-pythonの設定例を紹介している。テストマトリクスに「3.15」を追加し、allow-prereleasesとcheck-latestをtrueに設定すると、プレリリース版のPythonを自動的に扱うことができる。具体的には、現時点ではRC1が、RC2が公開されればそのバージョンが、そして正式版がリリースされれば安定版が使われる。
設定例ではstrategy.matrix.python-versionに「3.14」と「3.15」を指定し、actions/setup-python@v7を使用する。また、check-latestとallow-prereleasesのフラグにより、プレリリースが更新されるたびに自動的に最新版へ切り替わるため、CI環境を常に新しいPython 3.15でテストできる点が特徴だ。
We strongly encourage maintainers of third-party Python projects to prepare their projects for 3.15 during this phase, and publish Python 3.15 wheels on PyPI to be ready for the final release of 3.15.0, and to help other projects do their own testing.
サードパーティ製Pythonプロジェクトのメンテナーがこの段階でプロジェクトを3.15に対応させ、最終リリース3.15.0に備えてPyPIにPython 3.15 wheelを公開し、他のプロジェクトのテストを支援することを強く推奨します。
今後の見通し
Python 3.15.0の正式リリースは10月に予定されている。RC2以降に大きな機能変更はないとみられるが、残ったバグ修正の内容によって最終版の挙動がわずかに変わる可能性はある。また、GitHub Actionsの標準セットアップにRC2がいつ反映されるかも今後の注目点だ。開発者はRC2を実際に動作させ、自身のプロジェクトが互換性を保てるか確認することが次のステップになる。PyPIにwheelを公開するメンテナーは、RC版でビルドしたwheelが将来のPython 3.15でも使えると公式に保証されているため、早期の配布準備が有効とみられる。
日本の開発者・IT企業にとっての意味
日本のIT企業・開発者にとって、Python 3.15対応はライブラリやアプリケーションの互換性維持に直結する。RC2の段階でテストを開始し、wheelを準備しておけば、正式リリース後の移行作業を大幅に減らせる可能性がある。特に、PyPIで公開しているパッケージを管理している企業や、GitHub ActionsでCI環境を構築しているチームは、今回の呼びかけに早めに対応するのが得策だ。また、新機能の追加が止まるRCフェーズは仕様確認の最後の機会であり、内部ツールが依存するPythonのバージョンやC拡張モジュールの互換性を再点検する良いタイミングでもある。
気になる点
- Python 3.15の正式リリースはいつごろですか?
- 2026年10月に予定されています。記事を公開したリリースマネージャーの発表によれば、現在のRC2が最終リリース候補となる見込みです。
- RC版でビルドしたwheelは正式リリースでも使えますか?
- 記事では「Python 3.15.0リリース候補に対してビルドされたバイナリwheelは、将来のPython 3.15バージョンでも動作する」と説明されています。したがって、RC2で作ったwheelを正式版でもそのまま利用できる可能性が高いです。
- GitHub ActionsでPython 3.15のRCをテストするにはどうすればよいですか?
- actions/setup-pythonでallow-prereleasesとcheck-latestをtrueに設定し、マトリクスに「3.15」を追加します。ただし、記事の時点ではRC2がまだactions/python-versionsに反映されていないため、最初はRC1が使われ、公開後に自動でRC2へ切り替わるとみられます。
用語解説
- RC(Release Candidate)
- 正式リリース前に機能を凍結し、最終確認用に公開される候補版。
- wheel
- Pythonのパッケージを配布するためのバイナリ形式で、インストールが高速。
- PyPI
- Pythonパッケージの公式リポジトリ。ライブラリを公開・共有する場所。
- GitHub Actions
- GitHubが提供するCI/CDサービス。コードのテストやデプロイを自動化できる。
- allow-prereleases
- GitHub Actionsのsetup-pythonでプレリリース版のPythonを許可する設定。
出典
Python 3.15.0 candidate 2 is here!
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