この記事について海外で公開された情報をもとにAIが要約・解説した記事です。原文の翻訳ではありません。正確な内容は記事末尾の出典元をご確認ください。
この記事の要点
  • White CircleはDALL·E 3、Nano Banana 2、GPT-Image-2の安全フィルターを約13%の確率で回避したと報告
  • 攻撃はオンラインで誰でも入手できるツールとAPI呼び出しだけで実行でき、専門知識は不要
  • 新モデルChatGPT Images 2.5とNano Banana 2.1は旧版より突破しやすいと同団体は指摘

何が報告されたのか

White Circleは、先月公開されたプレプリント(査読前の論文)で、DALL·E 3、GoogleのNano Banana 2、GPT-Image-2という3つの画像生成モデルが持つ安全機構(ガードレール)の欠陥を報告した。同団体によれば、オンラインで誰でもダウンロードできる既製のツールとAPI呼び出しだけで、新しい攻撃手法を用いてフィルターを回避し、約13%の確率で露骨なコンテンツを生成できたという。White Circleは、この回避率が「同じ基準でテストされたどの手法よりも高い」と説明している。研究成果は11月に開催されるAI会議NeurIPS 2026で共有される予定で、GoogleとOpenAIへの注目が高まる可能性がある。

White Circleは、Anthropic、DeepMind、Hugging Face、OpenAIの幹部や研究者が支援する公益法人(public benefit corporation)だ。CEOのDenis Shilov氏が2024年10月に主要モデルの汎用的なジェイルブレイク(安全制約の回避手法)を公開したことをきっかけに設立されたとされる。高度なAIシステムを導入する企業に対し、脅威の検知や抑止を支援する活動を行っている。

RISEという攻撃手法

White Circleが開発した攻撃手法は「Red-teaming via Iterative Strategy Evolution(RISE)」と呼ばれる。複数のプロンプトやシナリオで再利用でき、複数の主要モデルに転用できる攻撃パターンを探す仕組みだ。構成要素は2つあり、ジェイルブレイクを生成する「攻撃モデル」と、出力が禁止コンテンツかどうかを判定する「判定モデル」からなる。

Shilov氏によれば、攻撃モデルにはHugging FaceからダウンロードしたQwenモデル、判定モデルにはGemini 3.8 Flashを使用しており、パイプライン全体が広く入手可能なモデルで構成されている。「フロンティアモデルを持っていなくてもフロンティアモデルの防御を破れる」と同氏は述べている。Midjourneyは「制御されたベンチマークに適した公開APIを提供していない」ためテスト対象から外された。

画像生成モデルのレッドチーミング(攻撃者視点での安全性検証)について、White Circleの研究エンジニアDmitrii Kharlapenko氏は、分野全体が「非常に較正されていない」状態で、基準を定めた論文が「文字通りゼロ」だと指摘している。

背景にある被害の拡大

Googleが7月に公表した米国・オーストラリア・英国のインターネット利用者を対象とした調査では、同意のない性的画像はテキストメッセージやダイレクトメッセージ、非公開クラウドに保管されることが多く、検知や通報がされにくい実態が示された。Googleの研究者は、最も重要な介入点は生成の源である「有害なAIツール」にあると結論づけている。

同調査では、AIによるヌード画像を作ったと認めた利用者の20%が「遊び」や「冗談」のためと答え、ほぼ3分の1が「技術の試用」だったという。英国の非営利団体Internet Watch Foundation(IWF)は、2026年上半期だけで法的に児童性的虐待コンテンツ(CSAM)と定義されるAI画像が6,310点見つかり、前年1年間の合計を約40%上回ったと警告している。

不明点と今後の課題

White Circleは攻撃パイプライン全体をオープンソース化し、GitHubで公開する計画を示している。モデル提供企業が脆弱性の規模を把握し、より強い防御を構築できるようにするためだと説明する。ただし、これまでにフロンティアラボからパイプラインの提供依頼は来ていないという。

White Circleは一部のフロンティアAI企業に「共通の知人」を通じて調査結果を共有したとされるが、GoogleとOpenAIはいずれもArs Technicaのコメント要請に応じていない。また、Anthropicのバグバウンティプログラムに参加した際、対象が同社の関心領域に限定され「非常に制約が強かった」としている。OpenAIとAnthropicは外部評価者に秘密保持契約(NDA)を求めるべきだと主張したとロイターが報じており、White Circleは公開を妨げるNDAには応じない方針を示している。

新モデルが突破しやすくなった理由について、White Circleは「新モデルがより高機能で多様なコンテンツを生成できるようになったか、能力向上のために安全性の優先度が下がったか」という作業仮説を述べるにとどめ、原因を断定していない。

RISE攻撃手法を構成する2つのモデルの役割
項目攻撃モデル判定モデル
役割ジェイルブレイクを生成出力が禁止コンテンツかを判定
使用モデルHugging Faceから入手したQwenモデルGemini 3.8 Flash
入手方法一般公開モデルをダウンロード一般公開モデル
原文からの引用
using just off-the-shelf tools, available online for anyone to download, and by sending API calls, White Circle was able to use the novel attack method to bypass the safety filters

オンラインで誰でもダウンロードできる既製のツールを使い、API呼び出しを送るだけで、White Circleはこの新しい攻撃手法を用いて安全フィルターを回避できた

今後の見通し

11月のNeurIPS 2026での発表と、攻撃パイプラインのオープンソース化が次の判断材料になりそうだ。パイプラインが公開されれば、第三者が同じ手法を再現し、各モデルの突破率を検証できるようになる。White Circleは政府関係者と第三者による安全性テストの義務化について初期段階の協議をしており、規制の動きが具体化するかも焦点となる。一方、OpenAIとAnthropicが求める外部評価者へのNDA要件がどう決着するかは、公開ベースの検証をどこまで進められるかを左右するとみられる。各社が新モデルの安全性をどう改善したかは現時点で明らかにされていない。

日本の開発者・IT企業にとっての意味

画像生成モデルの安全フィルターは、API経由で呼び出せるものであれば、既製ツールだけで突破され得ることをこの研究は示しています。自社サービスに画像生成APIを組み込む企業は、フィルターの存在を安全性の保証とみなさず、出力の監視やログ取得、通報経路の整備を検討する必要があるでしょう。モデルを提供する側にとっては、リリース前の第三者テストをどう設計するかが問われます。White Circleの手法は、モデル提供企業が自社の防御を検証するツールとしても使える可能性があります。外部評価者へのNDA要件が広がれば公開ベースの安全性検証が難しくなるという論点も、AI規制の議論に関わる日本企業にとって無関係ではありません。11月のNeurIPS 2026での発表内容が実務上の判断材料になるとみられます。

気になる点

White CircleのRISE手法は誰でも使えるのか
攻撃にはフロンティアモデルは不要で、Hugging Faceから入手できるQwenモデルとGemini 3.8 Flashなど一般公開モデルで構成されています。White Circleは攻撃パイプライン全体をGitHubでオープンソース化する計画を示しており、公開されれば第三者が再現テストできるようになる見通しです。ただし、公開の時期は明らかにされていません。
OpenAIやGoogleはこの指摘にどう対応しているのか
Ars Technicaが両社にコメントを求めたが、いずれも直接の回答はなかったと報じられています。White Circleは共通の知人を通じて一部のラボに結果を共有したとしていますが、新モデルで安全性がどう改善されたかについての説明は、現時点で公表されていません。
自社で画像生成モデルを提供する場合、何をすべきか
Googleの調査は、開発者にモデルレベルでの堅牢なガードレールと、生成物の由来を示す来歴指標の実装を求める責任があるとしています。IWFは市場投入前のテストを求めていますが、日本国内での規制動向や要件について原文は触れていないため、現時点では不明です。

用語解説

レッドチーミング
攻撃者の視点でシステムを攻撃し、脆弱性や安全対策の穴を見つける検証手法。
ジェイルブレイク
AIモデルの安全制約を回避させ、本来拒否される出力を引き出す攻撃手法。
NCII
Non-Consensual Intimate Imagery。同意なく作成・共有される性的な画像を指す。
CSAM
Child Sexual Abuse Material。児童性的虐待コンテンツ。法的に定義される画像や動画。
来歴指標
provenance indicator。生成物がどのモデルや出所で作られたかを示す技術的な情報。
プレプリント
査読を受ける前に研究者が公開する論文。内容が検証済みとは限らない。

出典

OpenAI, Google pushing new AI models easily tricked into making nudes, researchers say

Ars Technica / Ashley Belanger / 2026年10月14日

https://arstechnica.com/tech-policy/2026/10/openai-google-pushing-new-ai-models-easily-tricked-into-making-nudes-researchers-say

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