この記事について海外で公開された情報をもとにAIが要約・解説した記事です。原文の翻訳ではありません。正確な内容は記事末尾の出典元をご確認ください。
この記事の要点
  • 1,285件の統計を追跡し、元研究に届いたのは40%。11%は研究が存在しなかった
  • 引用元ページの82%に数値自体はあったが、一次研究だったのは21%のみ
  • アシスタント別ではChatGPTが57%で最高。ClaudeとGeminiは38%

何が報告されたのか

調査を行ったのはTrakkrで、ChatGPT、Perplexity、Gemini、Claude、GoogleのAI Overviewsという5つのアシスタントに、数値を求める日常的な質問を200問投げかけたところから始まる。各アシスタントが引用した統計から無作為に抽出した合計1,285件について、引用ページ、そのページが示す出典、さらにその先と最大5ページ深くまでたどった。

結果は、40%が同じ内容を述べている研究に到達した一方、8%は研究には届いたものの数値や文脈が途中で変わっていた。40%は出典が実在するのに数値が載っていない、施錠されている、消えているといった理由で確認できず、11%はどこにも研究が見当たらなかった。残る1%はページが読み込めなかったもので、記事は元研究に裏付けのないまま繰り返される数値を「ゾンビ統計」と呼んでいる。

判定はAIモデルが全件について行い、より性能の高いモデルが300件を再判定、さらに人手で150件を無作為に再確認する三段構えをとった。モデル単独の判定では元研究に到達した割合は23%だったが、人手による確認で見落としを補い、最終的な数値に補正している。

調査手法とその限界

記事は、質問の選び方によって結果が偏ったのではないかという懸念にも触れている。これを確かめるため、実際の日常的な英語検索52,930件(2026年9月25日から10月25日までに追跡)のうち統計を含んでいた4.4%から300件を抽出して同じ手順でたどったところ、元研究に到達したのは40%で、ほぼ同じ割合だったとしている。

手法上の限界も明示されている。各アシスタントの抽出件数はChatGPTが108件、Perplexityが277件、Gemini・Claude・Google AI Overviewsが各300件で、均等ではない。5アシスタント全体の割合は、引用した統計数の多さで各アシスタントを重み付けした値であり、利用者が実際に目にした統計の分布を表すという位置づけだ。

また、ページがリンクなしで出典名だけを示している場合は検索で探すなど、たどり方を統一しているものの、判断にはどうしても人手の解釈が入る。記事はその不確実性を含めた範囲を示したうえで割合を提示しており、単純に比較できる一種のベンチマークとして読むには注意が必要だ。

アシスタント別の差と引用元の内訳

アシスタント別では、ChatGPTが57%で最も高く、回答あたりに引用する統計数も1.3件と最も少なかった。Perplexityが46%(2.2件)、Google AI Overviewsが39%(4.8件)、Geminiが38%(6.2件)、Claudeが38%(6.8件)と続く。ChatGPT以外の4つは38〜46%の範囲に収まり、記事は差が小さすぎて順位付けできないとしている。

引用元の種類では企業ブログが54%と半数超を占め、研究機関が13%、ニュースが10%、統計のまとめ記事が8%、政府が7%、その他が8%だった。研究機関や政府のページから始まった trail は61%が一致する研究に到達したのに対し、企業ブログからは37%、統計まとめからは35%にとどまった。研究機関でも38%は届かず、多くは完全版のレポートが入力フォームの向こうにあったためだと説明されている。

重要なのは、引用元ページの82%にはその数値が実際に載っていたという点だ。つまりAIが数値を作り出しているわけではない。ただし、そのうち一次研究だったのは21%にすぎず、残りは別の場所から数値を転載したページだった。記事は「引用はAIが数値をどこで見つけたかを示すもので、その数値がどこから来たかを示すものではない」と整理している。

数値が文脈を失う過程

記事は、数値そのものは変わらないまま周囲の言葉だけが変わっていく例を挙げている。発端は2004年にSillenceらがCHIで発表した研究で、15人の女性が健康関連のウェブサイトを拒否・不信した際のコメントの94%がデザインに関するものだったというものだ。これが2018年の企業プレスリリース、2024年のビジネス誌コラムを経て、2026年にはGoogle AI Overviewsが「ウェブサイトの第一印象の約94%はデザインに関係する」と事実として述べるに至った。

さらに、5つのアシスタントが同じ質問に答えた71問のうち28問では、4つまたは5つが異なる数値を示した。最も高い値と最も低い値の差は中央値で16ポイント、31問では20ポイント以上に広がっている。マーケティングオートメーションツールの利用率を尋ねた例では、回答は49%から96%までばらついた。

意見が一致していても正しさの保証にはならない。5つが同じ数値を出した10問のうち追跡したのは5問で、元研究に到達したのは2問だけだった。3つ以上のアシスタントが引用した29件でも、到達したのは11件にとどまっている。

現時点で分かっていないこと

この調査は英語の質問と回答を対象にしたもので、日本語の質問や日本語サイトを出典とした場合に同じ傾向が当てはまるかは示されていない。アシスタントごとの差がモデルの設計によるものか、検索基盤の違いによるものかといった因果の分析も行われていない。

また、数値が途中で変わる原因として記事が挙げているのは、何を測ったのか、いつのデータか、誰に聞いたのかといった文脈のずれであり、桁そのものが変わるのは4回に1回程度だったとしている。どのような種類の統計が特に変質しやすいかについては、今回の範囲では整理されていない。

調査時点は2026年9月から10月で、モデルは継続的に更新される。同じ手順を繰り返せば変化を追えるため、次に公表される数値と比較することで、傾向が改善しているかどうかを判断できるとみられる。

5つのAIアシスタント別の統計引用の傾向
アシスタント元研究に到達した割合回答あたりの統計数
ChatGPT57%1.3
Perplexity46%2.2
Google AI Overviews39%4.8
Gemini38%6.2
Claude38%6.8
原文からの引用
A citation tells you where the AI found a number, not where the number came from.

引用は、AIがその数値をどこで見つけたかを示すものであり、その数値がどこから来たかを示すものではない。

今後の見通し

今回の調査は2026年9〜10月時点の5つのアシスタントの回答を対象にしたもので、モデルの更新や検索基盤の変更によって数値は変わり得る。Trakkrは判定手順と人手による補正の方法を公開しているため、同じ手順を繰り返せば経時的な変化を追えるとみられる。日本企業にとっては、自社サイトやブログに掲載した統計がAI回答の引用元になる可能性がある点が実務上の論点になる。日本語の回答や日本語サイトを出典とした場合に同じ傾向が当てはまるかは、現時点では明らかになっていない。

日本の開発者・IT企業にとっての意味

AI検索経由で数値に触れる機会が増えるなか、その数値が一次情報に基づくかどうかを回答画面から判断する手段は乏しい。今回の調査では、5つのアシスタントが同じ数値を自信ありげに示しても、出所をたどると研究のないページで途切れる例が確認された。日本のIT企業にとっては2つの意味がある。1つは、自社の調査データや統計を発信する際に一次情報への参照を明確にしないと、AIに引用された後に文脈が変わり、意図と違う形で広まるリスクがあること。もう1つは、社内資料や提案書でAIが示した数値をそのまま使う運用を見直す必要があることだ。数値の裏取りを一次情報まで行う工程を、開発や調査のワークフローにどう組み込むかが論点になる。

気になる点

AIが示した数値をそのまま社内資料に使ってよいですか
調査では引用元ページの82%に数値自体は存在したものの、一次研究だったのは21%にとどまり、元研究に届いても17%は文脈が変わっていた。業務で数値を使う場合は、AIの回答ではなく引用元の先にある一次情報まで確認する必要がある。ただし本調査は英語の質問を対象にしており、日本語の回答で同じ傾向になるかは公表されていない。
なぜChatGPTの到達率が高かったのですか
記事はChatGPTが回答あたりに引用する統計数が1.3件と最も少なく、Claudeは6.8件だった点を挙げている。引用を絞ることが到達率の高さにつながる可能性は示唆されるが、因果関係の分析は示されていない。他の4つは38〜46%で、記事は順位付けできないほど差が小さいとしている。
自社サイトの統計がAIに誤って引用されるリスクはありますか
引用元の54%が企業ブログで、そこから一次研究に到達したのは37%だった。自社ブログに数値を載せる際は、元データや調査手法へのリンクを同じページに置くことが、文脈が変わった形で引用されるリスクを下げる可能性がある。ただし、その効果を検証したデータは本調査には含まれていない。

用語解説

ゾンビ統計
元となる研究が見当たらないまま、引用と転載を繰り返して流通し続ける数値。この記事の中心概念。
AI Overviews
Google検索の結果上部にAIが生成した要約を表示する機能。出典リンクが付くことがある。
一次研究
実際にデータを収集・分析した原著論文や調査報告。転載記事やまとめページと対比される。
統計ラウンドアップ
複数の統計を寄せ集めたまとめ記事。引用元の8%を占め、一次情報への到達率は35%だった。

出典

Zombie stats: Where the numbers AI quotes come from

Hacker News / mektrik / 2026年10月30日

https://trakkr.ai/trakkr-research/zombie-stats

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