この記事について海外で公開された情報をもとにAIが要約・解説した記事です。原文の翻訳ではありません。正確な内容は記事末尾の出典元をご確認ください。
この記事の要点
  • 初の液冷ネットワークラックIcePackと102.4TbpsスイッチIceCubeを公開
  • GPUを8本の100Gリンクで8台のスイッチに接続するFPFを発表
  • スイッチ基盤を標準化するOSPAがOCPで始動、仕様v1.0を提出

OCP 2026での発表内容

MetaはOCP Global Summit 2026で、AIワークロード向けの次世代オープンネットワーク基盤を発表しました。Metaは2011年のOCP共同設立以来、オープンネットワーキングを高性能かつ持続可能なインフラの前提と位置づけており、今回もその方針の延長線上にある発表です。対象は、ラック内など近接したアクセラレータ間をつなぐスケールアップ、クラスタ内で横方向に広がるスケールアウト、拠点やリージョンをまたぐスケールアクロスの3領域にわたります。

具体的には、液冷ネットワークラック「IcePack」と102.4Tbpsスイッチブレード「IceCube」、マルチプレーンのバックエンドファブリック「Flattened Planar Fabric(FPF)」、オープンソース実装が提供されるAIトランスポートプロトコル「MetaRoCE」、スイッチ基盤層の標準化イニシアチブ「Open Switch Platform Architecture(OSPA)」が含まれます。あわせて、ペタビット規模のバックエンド集約層「BAG」やSRv6を使った地域バックボーン、イーサネットベースのスケールアップスイッチ「Tahan」も説明されています。Metaは半導体ベンダーやシステムインテグレータ、運用者に対して、OCPコミュニティへの参加を呼びかけています。

102.4T世代と液冷ラック

AIクラスタがギガワット規模に拡大すると、スイッチにはより大きな帯域と、限られた電力・冷却の枠内に収まる高密度化が同時に求められます。IcePackはOCPのORV3-HPRv1ラック標準に基づく、Meta初の液冷ネットワークラックです。このラックに、128×800Gのノンブロッキング構成で102.4Tbpsを提供するIceCubeスイッチブレードを収めます。

IceCubeには、BroadcomのTomahawk6CスイッチASICを使う版と、NVIDIAのSpectrum-6スイッチASICを使う版の2種類があります。どちらもOCP SAI(Switch Abstraction Interface)を利用するMetaのオープンソースネットワークOS「FBOSS」で動作します。この世代は従来の51.2T基盤に対して帯域が2倍になり、次世代AIデータセンターに必要な熱密度を実現するとしています。

GPU接続を変えるFPF

Flattened Planar Fabric(FPF)は、GPUとネットワークの接続方法、およびファブリックの制御プレーンを根本から変えるマルチプレーンのバックエンドスケールアウトファブリックです。FPFでは、各GPUが8本の独立した100Gリンクで8台の異なるスイッチ(ネットワークプレーンごとに1台)に接続します。従来の単一プレーンのアップリンク構成を置き換えるものです。

MetaはFPFの利点として4点を挙げています。単一プレーンのトポロジより大きなノンブロッキングGPUクラスタを構成できること、既存のNSFファブリックの3層Clos構成を2層に減らしてネットワークのホップ数・遅延・インフラコストを削減できること、NICのハードウェアで全パケットを8プレーンに分散する負荷分散、スイッチとホストの両方を含む制御プレーンにより障害時のプレーン回避ができることです。

FPFはNVIDIAと共同で開発され、NVIDIA Spectrum-X Multiplaneの仕組みを取り込むことで、さまざまな障害条件下でも高性能を維持できるようにしたとしています。MetaとNVIDIAはさらに、共同のクラウドパートナーと協力し、FPFの知見に基づくマルチプレーンファブリック実装の標準化を進めていると述べています。

拠点をまたぐBAGとSRv6

Metaがこの10年でコミットしたAI容量は、2026年に約1ギガワットの「Prometheus」、5ギガワットに向けて拡張する「Hyperion」に及び、単一クラスタが単一リージョンに収まらなくなっています。バックエンド集約(BAG)層は、複数のスパイン層ファブリックを建物・キャンパス・リージョンにまたがる1つのメガクラスタとして相互接続する、イーサネットベースの集約型スーパースパインです。

BAGはペタビット規模で動作し、2つのリージョン間のBAG間容量は毎秒数十ペタビットに達するとしています。距離が伸びるとバッファ設計が本質的な課題になるため、FBOSSは空いているキューでプローブトラフィックを計測して実際のケーブル長を求め、それに応じてヘッドルームを割り当てるようになりました。負荷分散も、単純な断ではなく性能が劣化した経路を考慮する必要があり、eBGPのリンク帯域シグナリングによって、実際に利用可能な容量に比例してトラフィックを分散します。

地域バックボーンには、FBOSSを使ったSRv6(Segment Routing over IPv6)が導入されています。地理的に離れたAIクラスタ同士を接続する際のトラフィックエンジニアリングを柔軟にし、運用を簡素化する狙いです。Cisco SiliconOneを搭載したオープンな浅いバッファのスイッチ基盤で動作しており、追加のシリコンファミリへの対応も進めているとしています。

イーサネットでのスケールアップ

スケールアップ領域は、ラックやポッド内のアクセラレータ間をつなぐ高帯域・超低遅延の接続で、従来は独自技術が必要とされてきました。MetaはMTIA 300トレーニングアクセラレータ向けに設計したイーサネットベースのスケールアップスイッチ「Tahan」を発表しています。BroadcomのTomahawk 5(51.2Tbps)をベースに64×800Gの容量を持ち、その半分をバックプレーン経由のアクセラレータ接続に使います。4台のTahanが16基のアクセラレータをノンブロッキング構成で相互接続し、アクセラレータあたり6.4Tbpsを提供します。

Tahanは、スケールアウトネットワークと同じロスレスRoCEトランスポート(IPv6ルーティング、PFC、AI向けに調整したQoS)を再利用し、スケールアップとスケールアウトの両ファブリックをFBOSSの下で統合します。Metaはさらに、102.4TbpsのBroadcom Tomahawk6Cを使う216×400Gの次世代スケールアップブレードも予告しています。8台で1ラックあたり72基のアクセラレータを接続し、将来世代ではOCPのESUN(Ethernet for Scale-Up Networking)ベースの実装に移行する計画です。

OSPAはMeta、Microsoft、Alibabaが共同で主導するOCPの新イニシアチブで、スイッチ基盤層の標準化を目指します。仕様v1.0はすでにOCPに提出されたとしています。スイッチ基盤層をそろえることで、複数のシリコンやネットワークOSの組み合わせを扱う際の作業を減らす狙いとみられます。

MetaのEthernetベーススケールアップスイッチ2世代の比較
項目Tahan次世代スケールアップブレード
スイッチASICBroadcom Tomahawk 5Broadcom Tomahawk6C
スイッチ容量51.2 Tbps102.4 Tbps
ポート構成64×800G216×400G
接続アクセラレータ数16基(4台構成)72基(8台構成)
原文からの引用
With FPF, each GPU connects via eight independent 100G links to eight different switches (one per network plane).

FPFでは、各GPUが8本の独立した100Gリンクで8台の異なるスイッチ(ネットワークプレーンごとに1台)に接続します。

今後の見通し

OSPAは仕様v1.0がOCPに提出された段階で、今後はOCPコミュニティでのレビューと実装が焦点になるとみられます。ESUNベースの次世代スケールアップ実装は将来世代とされており、投入時期は明らかにされていません。FPFについてはクラウドパートナーへの標準化が進行中とされ、どの事業者がどのような形で対応するかが次の判断材料になりそうです。また、SRv6バックボーンの追加シリコンファミリ対応や、数十〜数千キロ離れたリージョンをまたぐ学習の実現時期が明らかになれば、Metaのスケールアクロス構想の実効性を評価できると考えられます。

日本の開発者・IT企業にとっての意味

日本のIT企業にとって、この発表はAIデータセンターの設計前提が変わりつつあることを示します。102.4Tbpsスイッチと液冷ラックの組み合わせは、空冷を前提としてきた国内のネットワーク設計に対し、冷却方式と電力密度の見直しを促す可能性があります。またFBOSSやOCP SAI、OSPAといったオープンなソフトウェアと仕様の積み重ねは、特定ベンダーへの依存を減らし、複数シリコンを組み合わせる選択肢を広げます。国内の通信機器ベンダーやデータセンター事業者にとっては、OCP仕様への準拠が製品・サービスの競争力に関わる論点になり得ます。一方、今回の発表はMeta自身のインフラとクラウドパートナーとの標準化が中心で、日本国内でいつどの製品として入手できるかは示されていません。

気になる点

102.4T世代のスイッチは従来の51.2T世代から何が変わりますか
帯域が2倍になり、IceCubeは128×800Gのノンブロッキング構成で102.4Tbpsを提供します。搭載ASICはBroadcom Tomahawk6CとNVIDIA Spectrum-6の2種類で、いずれもFBOSSとOCP SAIで動作します。さらにIcePackという液冷ネットワークラックに収めることで、電力・冷却密度の制約に対応する構成です。
FPFはMeta以外の環境でも使えますか
FPFはNVIDIAと共同開発され、Metaのインフラ内で稼働しています。MetaとNVIDIAは共同のクラウドパートナーと、FPFの知見に基づくマルチプレーンファブリック実装の標準化を進めているとしていますが、他ベンダーのNICやスイッチへの対応状況は原文では明らかにされていません。
MetaRoCEのオープンソース実装はどこで入手できますか
原文では「オープンソース実装が提供される」と述べられているだけで、リポジトリや公開先、ライセンス条件は示されていません。現時点では入手先は公表されていないとみられ、OCPでの今後の公開情報を待つ必要があります。

用語解説

OCP(Open Compute Project)
2011年にMetaなどが設立した、データセンターのハードウェアやネットワーク仕様をオープンに設計・共有するコミュニティ。
RoCE
RDMA over Converged Ethernet。イーサネット上でRDMAを実現し、CPUを介さずメモリ間でデータを転送する方式。
スイッチASIC
パケット転送処理に特化して設計された集積回路。ベンダーごとに機能や帯域が異なる。
Closファブリック
多段のスイッチを格子状に接続するネットワーク構成。段数が増えるほど経由するスイッチと遅延が増える。
FBOSS
Metaが開発・公開している、スイッチ向けのオープンソースネットワークOS。
SAI(Switch Abstraction Interface)
スイッチASICの違いを吸収するOCPの抽象化API。同じソフトウェアで複数ベンダーのASICを扱える。

出典

OCP Summit 2026: Powering AI with Open Innovations in Scale-Up, Scale-Out, and Scale-Across Networks

Meta / 2026年10月13日

https://engineering.fb.com/2026/10/12/open-source/ocp-summit-2026-powering-ai-with-open-innovations-in-scale-up-scale-out-and-scale-across-networks

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