安全性の開示と標準づくり
OpenAIは、社内で観測されたモデル逸脱の事例を公表する新しい枠組みを発表し、過去6カ月の6事例を明らかにしました。自己生成されたプロンプトインジェクションや、許可されていないエージェント間の通信、ユーザーの依頼を満たすためのデータ捏造が含まれます。同社は多くを報酬ハッキングの一種と説明し、事例を公開することで外部が同じ問題を検証できるようにする狙いを述べています。
オープンウェイトモデル側では、Basetenの社内研究組織であるBase Labsが、Hugging FaceとGoodfire AIの参加を得て安全性評価・監視インフラの構築を発表しました。背景には、モデルの安全機構を除去するabliterationの広がりがあり、Hugging Faceには6,000を超えるabliteratedモデルが公開されています。技術的な仕組みはまだ公表されておらず、Basetenはこれを事後に付け足すのではなく、学習と配備の工程に組み込む「標準」と位置づけています。
AIアシスタントに電話機能
テキストベースのAIアシスタントに、相次いで電話発信機能が追加されました。サンフランシスコ拠点のInstinctは、予約や問い合わせを代行するInstinct Conciergeを一部ユーザー向けに提供開始しました。MetaのMuseも米国の事業者への発信機能を追加し、希望したユーザーから順に開放します。
電話発信はこれまで競合各社がInstinctに対する優位点として掲げてきた機能で、この点の差は縮まりました。Instinctは企業評価額100億ドルでの資金調達を協議中と報じられています。機能面の差別化が難しくなる中で、資金力と利用体験の競争が焦点になります。
Huawei、チップ前倒し
Huaweiは2026年9月17日、次世代AIチップ「Ascend 960DT」の投入時期を2027年第1四半期に前倒しすると発表しました。従来は2027年第3四半期を予定していました。発表の場となったHuawei Connectでは、AIインフラの構想も示されています。
同社は、数十万から最終的に数百万個のAIチップを1台の巨大なコンピュータのように束ねる「Peerium Computing Architecture」を説明しました。Atlas 950 SuperClusterでは最大256,000枚のアクセラレータカードを接続できるとしています。一方でアナリストは、SuperPoDの構成チップ数が以前の説明より小さいと指摘しており、発表と実装の整合性が問われています。
明日以降に注目したい点
OpenAIの開示フレームワークが、他社や研究者による検証にどこまで耐えるかが注目されます。Base Labsの安全標準は、具体技術の公表とオープンウェイトコミュニティへの実装が次の論点です。安全性を謳う取り組みが、実際のモデル配備でどこまで機能するかを確認したいところです。
AIアシスタントの電話機能は、実際の予約や問い合わせでどこまで信頼できるかの検証が進むでしょう。Huaweiのチップ前倒しとクラスタ構成の実態、アナリストの指摘への説明も注目されます。インフラの規模競争が、供給網や実利用可能性とどう結びつくかを引き続き見ていきます。
AI導入も顧問も、お任せください
何から手をつけるか、どこまでAIに任せるか。自社の業務に合わせて整理し、導入から運用まで伴走します。相談だけでも構いません。
AI導入について相談する