
- DLSS 5は9月3日に正式提供開始、対応ゲームはNBA 2K27のみ
- 公式対応はRTX 50系列とGeForce Nowに限定される
- 性能は50〜60%低下、RTX 5060でも6倍フレーム生成で対応可能
正式ローンチの概要
NVIDIAは9月3日、AIを活用した画像生成技術「DLSS 5」の提供を正式に開始する。現時点で対応するゲームはバスケットボールタイトル「NBA 2K27」のみで、同作は太平洋時間9月3日午後9時にPC版が発売される。対応ハードウェアはRTX 50系列のデスクトップ・ノートPC向けGPUと、クラウドゲームサービス「GeForce Now」だ。
つまり、RTX 50系列を購入するか、GeForce Nowを契約しない限り、公式のDLSS 5を体験することはできない。NVIDIAは「DLSS 5は2018年のリアルタイムレイトレーシング登場以来、最も重要な進歩だ」と説明している。
技術の特徴と批判
DLSS 5は、ゲームの画面をAIが生成し直すアップスケーリング技術の一種だ。従来の超解像度処理に加え、光源やテクスチャを追加で描画することで、より写実的な画像を作り出すとされる。開発者はスライダーでAIの介入度を調整でき、キャラクターの顔は変えずに食器や草木だけを強化するといった制御も可能になる。
ただし、3月の発表で公開されたデモ映像は、キャラクターの外見が大きく変わってしまうとして広く批判され、インターネット上でミーム化した。今回のNBA 2K27のデモでは、選手の表情やテクスチャがよりリアルになる程度で、当初のデモほど過激ではないと報じられている。
性能への影響
DLSS 5は非常に高い計算コストを伴う。NVIDIAは性能が50〜60%低下すると見積もっており、The Vergeが非公式モッドを試した際にはフレームレートが半分に落ちたという。そのため、3月のデモではRTX 5090を2枚使う構成が想定されていた。
今回NVIDIAは、最速クラスのCPUと「6倍フレーム生成」を組み合わせれば、ミドルレンジのRTX 5060でも1080p・レイトレーシング・ウルトラ設定でNBA 2K27を動かせると主張する。フレーム生成は実際にはゲームが1フレーム生成するだけで6フレーム分を表示する方式で、見た目の滑らかさを保ちながら負荷を下げる仕組みだ。
現時点の未知数
現時点でDLSS 5に対応するのはNBA 2K27だけだ。3月の発表で登場したResident Evil Requiem、EA Sports FC、Starfield、Hogwarts Legacyは、いずれも正式対応がアナウンスされていない。NVIDIAはNBA 2K27以外のタイトル展開について質問に答えなかったとされる。
また、The Vergeは今回の記事を書いた時点で公式ビルドを検証しておらず、実際の画質や動作は確認できていない。非公式モッドをControlやSkyrimなどの古いゲームに適用した例では、少量の適用で十分効果があると感じたというが、今後の対応タイトルや実測データが待たれる。
| 項目 | 3月のデモ | NBA 2K27公式対応 |
|---|---|---|
| GPU要件 | RTX 5090を2枚 | RTX 5060でも可能(最速CPUと6倍フレーム生成時) |
| 対応タイトル | 複数(Resident Evil Requiemなど) | NBA 2K27のみ |
| 見た目の変化 | キャラの外見が大きく変わり批判 | 選手がよりリアルに、変化は穏やか |
| 性能コスト | 言及なし | 50〜60%と推定 |
Nvidia lauded DLSS 5 as “the company’s most significant breakthrough in computer graphics since the debut of real-time ray tracing in 2018,”
NVIDIAはDLSS 5を『2018年のリアルタイムレイトレーシング登場以来、同社のコンピュータグラフィックスにおける最も重要な進歩』と称賛した。
今後の見通し
今後の見通しとしては、NVIDIAが他のタイトルへの対応時期を明らかにするかが焦点になる。NBA 2K27での公式ビルドが実際にどのような品質と性能で動くのか、第三者による検証結果が出れば判断材料が増える。また、開発者向けのスライダー機能が他社のゲームエンジンにどう統合されるかも注目される。現時点では対応ゲームが1本のみで、GPU要件も高いため、普及には時間がかかるとみられる。
日本の開発者・IT企業にとっての意味
日本のゲーム開発企業にとって、DLSS 5は画質向上の可能性と引き換えに大きな性能コストを課す技術として注目される。開発者向けスライダーでAIの介入度を制御できる点は、既存のゲーム表現を保ちつつ画質を高めたい現場には有用だ。一方で、対応GPUがRTX 50系列に限られるため、国内のPCゲーマー層への浸透はまだ限定的とみられる。自社タイトルへの採用を検討する際は、ターゲットとなるユーザーのGPU構成や、GeForce Nowを通じたクラウド配信の可能性を同時に評価する必要がある。
気になる点
- DLSS 5を利用できるGPUはどのモデルですか?
- 記事によると、公式にはRTX 50系列のデスクトップ・ノートPC向けGPUと、クラウドゲームサービス「GeForce Now」でのみ利用できます。RTX 40系列以前のGPUでは公式には対応していません。
- DLSS 5の性能コストはどれくらいですか?
- NVIDIAは50〜60%の性能低下と見積もっています。The Vergeの非公式検証でもフレームレートが半分になった例があります。ただし、6倍フレーム生成を使えばRTX 5060でも1080pで動作するとNVIDIAは主張しています。
- NBA 2K27以外のゲームでも使えますか?
- 現時点では対応が発表されているのはNBA 2K27のみです。3月の発表で示された他のタイトルへの展開時期は明らかにされていません。非公式モッドなら他のゲームに適用する例があるものの、動作は保証されていません。
用語解説
- DLSS
- NVIDIAのAIによるアップスケーリング技術。低解像度の画像を高解像度に変換し、画質を向上させる。
- アップスケーリング
- 低解像度の画像を補間して高解像度に拡大する技術。AIを使うことで品質を高める。
- フレーム生成
- ゲームが実際に描画するフレームを間引いて、AIが間のフレームを生成する技術。見た目の滑らかさを保ちながら負荷を下げる。
- レイトレーシング
- 光の経路を物理的に計算する描画技術。リアルな反射や影を表現できるが、計算コストが高い。
出典
Nvidia’s controversial DLSS 5 arrives September 3rd and requires serious GPU horsepower
https://theverge.com/tech/986378/nvidia-dlss-5-launch-nba-2k27
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