この記事について海外で公開された情報をもとにAIが要約・解説した記事です。原文の翻訳ではありません。正確な内容は記事末尾の出典元をご確認ください。
この記事の要点
  • 液冷ラック「IcePack」向け102.4Tスイッチ「IceCube」を公開。128×800G、ASICは2種類
  • スイッチ基盤の標準化OSPAをMeta・Microsoft・Alibabaが主導、v1.0仕様をOCPに提出
  • AI向けRDMAトランスポートMetaRoCEをオープンソース化、まずユーザ空間版を公開

OCPで示した全体像

2026年のOCP Global Summitで、Metaは自社の最新AIモデル「Muse Wonder」「Muse Spark」と、ギガワット規模の「Prometheus」クラスタを支えるネットワーク技術を公表しました。講演の資料と録画はOCPのサイトで公開されています。発表は大きく、スイッチ筐体や光学部品などのハードウェア、GPU間をつなぐファブリック、そしてオープン標準化の3つに分けられます。個別の技術は独立した講演として整理されており、全体像を一望できる構成になっています。

基調講演にはSantosh Janardhan氏(Head of Infrastructure)が登壇し、AIがインフラの形を変えたため、ネットワーク・施設・システムを再設計する必要があると説明しました。Omar Baldonado氏(Senior Director, Data Center & AI Networking)の講演概要では、AIの進歩は計算資源と同じくらいネットワークに依存しており、プロプライエタリな壁の内側ではなくオープンなエコシステムで全スタックを構築する方針が示されています。

液冷ラックと新ファブリック

ハードウェアの中心は、Meta初の液体冷却ネットワークラック「IcePack」と、そこに搭載する102.4Tスイッチ「IceCube」です。IceCubeは128×800Gのノンブロッキング容量を持ち、Broadcom Tomahawk 6CまたはNVIDIA Spectrum-6のASICを搭載します。2OUで液冷と空冷を併用するハイブリッド設計で、PHYを省いた構成を採ります。派生の「N-IceCube」も同じ設計方針で、いずれもネットワークOSのFBOSSで動作します。

スケールアウト向けには「Flattened Planar Fabric(FPF)」が示されました。各GPUが8つのネットワークプレーンに接続するマルチプレーン構成で、3層のClosを2層に削減し、NICレベルでのパケットスプレーと、ホストとスイッチを統合した制御プレーンを特徴とします。NVIDIAと共同で構築され、クラウドパートナーとも共有されているということです。

拠点間をつなぐスケールアクロスでは、ペタビット規模のスーパースパイン「BAG(Backend Aggregation)」がPrometheusクラスタに導入されています。リージョナルバックボーンにはFBOSSとSAIの上でSRv6が使われています。スケールアップ向けには、MTIA 300向けのイーサネットスイッチ「Tahan」がBroadcom Tomahawk5ベースで発表されました。102.4Tシリコンでラック当たり72アクセラレータというプレビューも示されています。

標準化とオープンソース

OSPA(Open Switch Platform Architecture)は、Meta、Microsoft、Alibabaが共同で主導するOCPの新しい取り組みです。SAIがデータプレーンソフトウェアの可搬性を実現した一方、スイッチプラットフォーム層はプロプライエタリで分断されたままで、プラットフォームごとに数カ月の重複した立ち上げ作業が発生していると説明されています。OSPAはこの層の統一されたマルチベンダー参照設計を目指し、v1.0仕様がOCPに提出されました。

ESUN(Ethernet for Scale-up Networking)は前年のOCP Global Summitで立ち上げられた取り組みで、1.0仕様が今年前半に公開され、次いで1.1仕様が予定されています。スケールアップ領域をイーサネットで扱う動きです。

MetaRoCEは、MetaがAIネットワーク向けに開発したRDMAトランスポートです。ソフトウェア実装のオープンソース化が始まり、まずユーザ空間版の「libsoftmetaroce」がGitHubで公開され、DPDKベースの版も近く公開予定とされています。

現時点の留意点

各仕様の詳細な中身や、他社製品との互換性、対応製品の登場時期は、今回公開された講演情報だけでは判断できません。OSPAはv1.0仕様をOCPに提出した段階で、準拠製品や認証プログラムの有無には触れられていません。

Prometheusクラスタの具体的な規模(アクセラレータ数や拠点数)、BAGの性能値、Tahanの帯域・遅延の実測値も本文には示されていません。MetaRoCEのDPDK版公開は「近日」とされており、時期は明らかにされていません。

また、IceCubeやTahanがMeta以外に販売・提供されるかどうかも記載がありません。オープンソース化や仕様公開の範囲は、今後OCP側の公開資料で確認する必要があります。

スケールアップ向けTahanとIceCubeの仕様比較
項目TahanIceCube
主な用途スケールアップ(MTIA 300向け)AIネットワーク向け(IcePackラック搭載)
スイッチASICBroadcom Tomahawk5Broadcom Tomahawk 6C または NVIDIA Spectrum-6
スイッチ容量原文に記載なし102.4T
ポート構成原文に記載なし128×800G
冷却・筐体原文に記載なし液冷/空冷ハイブリッド、2OU、PHYレス
原文からの引用
While SAI has made data plane software portable, the switch platform layer remains proprietary and fragmented, adding months of duplicated bring-up work per platform.

SAIがデータプレーンソフトウェアを可搬にした一方で、スイッチプラットフォーム層はプロプライエタリで分断されたままで、プラットフォームごとに数カ月におよぶ重複した立ち上げ作業を生んでいる。

今後の見通し

次に注目されるのは、OSPA v1.0がOCPでどう扱われるかです。仕様の承認状況や準拠製品の登場時期が明らかになれば、スイッチベンダーの対応方針を判断できるとみられます。ESUN 1.1の内容と、MetaRoCEのDPDK版が公開される時期も確認したい点です。さらに、102.4Tシリコンでラック当たり72アクセラレータという構成がいつ実環境に投入されるのか、Prometheusクラスタの具体的な規模やBAGの性能値が示されるかどうかで、Metaのネットワーク設計の実効性を評価できるでしょう。

日本の開発者・IT企業にとっての意味

今回の発表は、AIインフラの競争点がGPUそのものから、GPU同士をつなぐネットワークへ広がっていることを示しています。日本のIT企業にとって関係が深いのはOSPAです。スイッチプラットフォーム層が標準化されれば、ベンダーごとに発生していた立ち上げや検証の重複が減り、OCP準拠スイッチを手がける国内ベンダーやODMにとって再利用の余地が広がる可能性があります。また、102.4Tスイッチ、800G光接続、液冷ラックといった仕様は、データセンター設計や光学部品・ケーブル調達の参照点になります。MetaRoCEのオープンソース化はRDMA実装を学ぶ材料になる一方、対応製品やサポート範囲は今後の公開情報を待つ必要があります。

気になる点

MetaRoCEは今すぐ試せるのか
ユーザ空間版の「libsoftmetaroce」がGitHubで公開されると発表されています。DPDKベースの版は「近日公開」とされ、具体的な時期は示されていません。対応ハードウェアやライセンス条件は、今回の講演情報では確認できません。
OSPAに参加すればスイッチの立ち上げ作業は減るのか
OSPAはスイッチプラットフォーム層の統一参照設計を目指す取り組みで、v1.0仕様がOCPに提出されています。Metaは層の分断によりプラットフォームごとに数カ月の重複作業が生じていると説明しており、削減が期待される構図です。ただし効果を示す具体的な数値は出ていません。
日本企業に関係する部分はあるのか
OSPAやMetaRoCEについての直接の言及はありません。ただしOSPAはOCPの取り組みであるため、OCPに参加するスイッチベンダーやODMが参照設計を活用できる可能性があります。IceCubeの102.4Tや800Gといった仕様は、データセンター設計や光学部品の調達を検討する際の参考になるとみられます。

用語解説

FBOSS
Metaが開発するネットワークOS。スイッチの転送制御やプラットフォーム管理を担う。
SAI
Switch Abstraction Interface。スイッチASICをソフトウェアから共通APIで扱うための抽象化層。
RDMA
遠隔のメモリをCPUを介さず直接読み書きする通信方式。低遅延・高スループットが特徴。
Clos
多段のスイッチを組み合わせたネットワーク構成。大規模ファブリックの基本形。
CPO
Co-Packaged Optics。スイッチASICと同じパッケージに光部品を組み込む実装方式。
MTIA
Metaが手がけるAI向けアクセラレータ。Tahanはそのラック規模システム向けスイッチ。

出典

Meta Networking at the 2026 OCP Global Summit: Open Innovation for Scale-Up, Scale-Out, and Scale-Across AI Networks

Meta / 2026年10月27日

https://engineering.fb.com/2026/10/26/open-source/ocp-summit-2026-meta-networking-talks

AI導入も顧問も、お任せください

何から手をつけるか、どこまでAIに任せるか。自社の業務に合わせて整理し、導入から運用まで伴走します。相談だけでも構いません。

AI導入について相談する